リクナビ2009
イベントレポート
『はたらきたい。』の哲学と実学 〜ほぼ日とリクルートと日経BPが考える仕事論、就職論〜
仕事のプロたちに、聞いてみたかったこと

さて、5月14日、東京・大手町にて、ほぼ日刊イトイ新聞さん・日経BP社さん・リクルートの三社合同で「『はたらきたい。』の哲学と実学」というイベントを開催しました。メルマガなどでもお知らせしていましたし、やったということは皆さんご存じですよね。

当日はたくさんの方にご来場いただき、本当にありがとうございました。当日の様子は、下記にレポートとして簡単にまとめましたが、静かだけれども、パネラーたちの言葉をノートに一生懸命に書き留めている姿が目立つ、本当に熱いイベントになりました。

ところで、当日「仕事のプロ」たちに、いろいろな質問をしてみませんか、という呼びかけをメルマガなどでして、たくさんの質問をいただいていたのですが、残念なことに時間がなくて、一つもお答えすることができませんでした。ごめんなさい。

ということで、いくつかの質問にはキチンと答えておきたいと思い、こんなページを作成することにしました。リクナビCAFE編集部だって、もちろん仕事のプロでもありますので、その回答は「意外に」興味深いモノのはずですよ。以下にご注目を。

読者の皆さんからの質問と回答 編集部がお答えします!
Q1 学生時代を楽しく過ごせなかった人は社会人になっても
楽しくすごせないのですか?
Q2 「仕事」と「結婚」の両立というのは難しいことなのでしょうか?
Q3 悪いことばかり目につき「自分を褒める」ことが苦手なのです。
Q4 人間重視って言うけど、
面接2、3回くらいでその人のなにがわかるのですか?
Q5 ある仕事に「向いている」ってどういうことでしょうか?

さて、当日参加できなかったという人は、以下を見て、
その雰囲気を堪能していただけるととても嬉しいのです。

ほぼ日刊イトイ新聞編集長の糸井重里さん、
元日経アソシエ編集長の渋谷和宏さん、
元リクナビ・リクナビCAFE編集長の前川孝雄さん、
リクルート就職ジャーナル編集長の川上直哉の4人がパネラーとして参加しました。

糸井さんの爆弾発言あり、前川さんの男前発言あり、と、
皆さんにとってもお馴染みの人たちの「名(?)台詞」も収録してありますよ!

イベントレポート
「来た球を打つ。それだけでも結構面白い」

「はたらく」っていったいどういうことなのか?誰もが当たり前にわかっているようでいながら、実はなかなかうまく答えられない問いかもしれません。そんなテーマをめぐって、この日、それぞれ「はたらく」のプロである、4人の大人たちが語り合いました。

会場は400人を超える社会人と学生の皆さん(85%が社会人)が集まり、パネラーの話に真剣に聞き入っていました。熱心にメモを取る人も多く、客席は静かな熱気がムンムン。あ、もちろん、糸井さんをはじめ個性派揃いのパネラー陣ですから、時折笑いも交えながら、ですよ(笑)。

さて、このトークイベントのタイトルは「『はたらきたい。』の哲学と実学」。理想とする天職を手に入れ、仕事を心底楽しんでいるように見える4人のパネラーはどんな「哲学と実学」を持って今に至ったのか、気になるところですよね。しかし、その点に関するパネラー陣の答えは、ちょっと意外な感じがするものでした。

司会者の「今の仕事を天職だと思いますか?」という問いに対し、糸井さんはこう答えます。「オレはそもそも“自分のやりがい”についてあまり考えたことがないんですよね。一度として、こういう職業になりたいとか、こういう活躍をしたいと考えたこともない」。そして、「常に、来た球を打つ。それだけでも結構面白いんですよ」と。

川上さんも「そのつど一生懸命やっているうちに、少しずつ仕事が面白くなってきたというのが正直なところ。ただ、もっと面白い仕事もあるかもしれませんし、今の仕事が天職かどうかはわからないですね」とコメント。前川さんも「やれといわれたことはやるしかないと思って、やってみたら面白くて、ふと気づいたら20年。あっちゅう間ですわ」。そう、みんな同様に「来た球を打ってきた」んですね。

「どんな仕事も一人じゃできない」

4人とも自分の仕事を面白いと感じていることは間違いなさそう。でも、皆さん、ただ一つの「やりたいこと」に向けてまっしぐらに進んできたわけではないみたいなんですね。「やりたいこと」=「天職」=「心底楽しめる仕事」なら、それを目標にがんばればいいんじゃん、って話で終わるところですが、どうやらそれは成り立たない!?

では、心底面白いと思える仕事にめぐり合うにはどうしたらいいのでしょう?先ほどの「天職観」に関するパネラー陣の答えから感じられたのは「仕事の面白さはやってみて初めてわかる」ということ。これもヒントの一つですよね。そして、前川さんや渋谷さんのこんなコメントがさらにもう一つのヒントをくれました。

どんな仕事も自分一人じゃできないですよね。仲間がいて、それぞれ得意分野を生かして大きな力になって成果を出す、それが仕事だと思いますよ。振り返ってみると、自分が新卒のときに会社を選んだ理由も、この会社元気のいい先輩が一杯おるなぁ、ここやったら面白いことできそうやなぁ、っていうそれだけ(笑)。でも、それでよかったんだと思ってます」(前川さん)

「『日経ビジネスアソシエ』を編集していた当時、現場で活躍する“普通のサラリーマン”を何人も取材したんですが、彼らに共通することは、コミュニケーション能力が高いというか、みんな“いいやつ”なんです。魅力とか、思いやりとか、明るさとか、一緒に仕事をしたいと感じさせるものを持っている」(渋谷さん)

さらに、会社が人を採用する際も、結局は「一緒に働きたいと思うか」を基準にしていることが多いと川上さんが指摘。つまり、仕事の面白さって自分一人だけで追求するものではないってことです。「一緒に働きたい」と思える仲間と出会うこと、「一緒に働きたい」と思われる存在であること、それが、このイベントを通して見えてきた「大事なこと」の一つでした。これ、リクナビCAFEでもずっと言ってきたことですよね。

「できることをしっかりやる、が大事」

とはいえ、「一緒に働きたい」と周りに思われるようになるって難しそうな気がします。しかし、それについても、「はたらく」のプロたちは、自らの経験を踏まえて明確に示唆してくれました。「できないことを無理してやる必要はない。できることをしっかりやることが大事なんだ」というのが4人共通のメッセージ。中でも糸井さんのこのコメントはすごく象徴的です。

「漫画の1コマを選ぶように夢を持つ人より、ちゃんと約束を守る人のほうが、オレは素敵だと思うし、一緒に仕事をしたいって思う。それに、約束できることをきちっとやっていると自分も力がついてくるんですよ。人の成長って右肩上がりのグラフじゃなくって、スパイラル。同じところをぐるぐる回っているうちに少しずつ上に上がっていくものなんです」

自分の頭の中だけで膨らませた理想、または、世の中から与えられたイメージで天職を探し求めても、そこには「実学」がありません。仲間と力を合わせ、自分にできることを毎回きっちりやり、一人ではできない面白いことができた!そんな経験から学ぶ「実学」があって、初めて「哲学」も生まれるのかも。だから「哲学と実学」だったんですね(^^)

さて、今回はほかにも、「大人は本当はすごく自由なんだ!」(糸井さん)、「就職の際には自分にピッタリの仕事があると思い込みすぎないほうがいい」(川上さん)、「手帳の3割は必ず余白にしておく、それが私流のワークライフバランス」(渋谷さん)、「世の中、左脳的な効率を求めるようになっているけど、もっと右脳的な感性とか感情を大切にしてほしい」(前川さん)などいろんな話が飛び出しました。紹介しきれないのが残念!

参加した皆さんからは、後日、「大切にしたい言葉をたくさんもらえました!」「『一緒に働きたいやつ』というキーワードにハッとさせられた。自分に抜け落ちていた考えだった」といった反響をたくさんいただきました。皆さん、本当にありがとうございました!



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